示相化石


化石のもう一つの利用法は、地球の様子を知るために使うことである。地層の堆積した当時の環境、つまり、水陸分布・気候・水温・水深・塩分量など、古生物の生活様式から過去の環境を知るのに役立つ化石のことである。

◆示相化石の条件
示相化石として使える化石は、化石の生存地域が特定の環境に限られることが必要である。この場合、現在の生物の生活様式を調べ、それを適用し、古環境を推定する。次にいくつかの例をあげる。

@サンゴ礁の生活環境
 (ア)水温 18〜36℃、気候的に熱帯〜亜熱帯
 (イ)塩分量 27〜36パーミル
 (ウ)水深 50m以浅の水の澄んだ海
 (エ)波の荒い(酸素の多い)ところ
A牡蠣(カキ)内湾・入り江などの汽水域(淡水と海水の混じり合ったところ)。
Bシジミ・タニシ 内陸の淡水・湖沼など。
Cフリソデガイ・イタヤガイ 寒流域に生息。
D植物のカンバ・ミツガシワ・トウヒ 寒冷気候に適する。
E植物のヤシ科・ヘゴ科のシダ 熱帯・亜熱帯に適する。